価値の生成と消失 - 実物資産の調達 - 用役

 用役について検討します。用役として電気、ガス(プロパンガス、都市ガス)、上水道、圧縮空気、蒸気、洗浄水、熱供給用の熱などが該当します。これらのサプライチェーンの上流に何があるか検討しましょう。

 さて、これらの用役の最上流には何があるでしょうか?

 プロパンガスの主成分はプロパンやブタンです。このうち、プロパンは天然ガスの分留や、原油からの分離・抽出で得られます。供給網をさかのぼると、最上流には油田や天然ガス田があります。都市ガスの主成分はメタンです。これは天然ガスの主成分です。プロパンガスと同様に、供給網の最上流には天然ガス田があります。

 上水道の場合、供給網の最上流には河川があります。

 電力の場合を考えます。自宅に引き込まれている電線をたどっていくとその先には発電所があります。発電所が石炭火力発電所ならば、燃料として石炭が必要です。この石炭は炭田から取得しています。天然ガス火力発電所ならば、天然ガスが必要です。供給網の最上流には天然ガス田があります。原子力発電所ならば、供給網の最上流にはウラン鉱山があります。水力発電所であれば、ダムがあり、そこに貯水された水は河川からやってきます。太陽光発電所ならば、太陽電池パネルがあり、パネルに当たる太陽光線は太陽からやってきます。風力発電所のナセルは風によって回転します。風は、太陽光によって地面が加熱されることで発生します。こうして考えると、ほとんどの場合、用役の供給網の最上流には、自然界があることがわかります。

 例外は、廃棄物発電やゴミ発電によって供給された熱や電気です。この場合、廃棄物は人間界から供給されます。