経済的主体 - 実物資産の蓄積

 経済的主体は、実物資産を蓄積する機能を持ちます。つまり、マテリアル、リソース、情報を蓄積します。

 例えば、工場を経済的主体とみなしたとき、工場はマテリアルを蓄積します。この蓄積されたマテリアルは在庫と呼ばれます。これらの在庫は、部品在庫や製品在庫の形をとります。また、工場は、その内部にリソースを蓄積します。これらのリソースは、経済的主体の機能を維持するためのものです。例えば、工場は建物や工作機械、金型や冶工具などのリソースをその内部に持ちますが、これは、先に挙げた経済的主体の機能のうち、「実物資産の変換」を行うためのリソースです。そして、工場は、組み立てのノウハウや検査記録といった情報をその内部に蓄積します。

 個人や家計についても同じことが言えます。実物資産の変換を調理としたとき、家計における実物資産の蓄積の一例は、冷蔵庫内にある買い置きや作り置きです。リソースに当たるものが、調理における調理器具です。そして、情報に該当するものがレシピや実際に調理してみた結果です。