経済的主体

 いままでに、経済的主体という単語を、断りなく使ってきました。経済的主体の例として、個人、家計、企業、親会社と子会社からなる企業グループ、政府、国家が挙げられます。また、経済的主体は、その内部に複数の経済的主体を持つことが可能です。例えば、国家という経済的主体は、その内部に家計や企業といった経済的主体を持ちます。また、ある企業グループという経済的主体は、その中に親会社と子会社という経済的主体を持ちます。ある家計は、その中に親と子供、兄弟と姉妹と言った経済的主体を持ちます。この文章を読んでいるあなた自身も経済的主体です。ここで、改めて本稿における「経済的主体」を定義します。経済的主体とは、次にあげる機能のうち一部またはすべての機能を持つものです。

 

 ・実物資産の調達・変換・出力
 ・実物資産の蓄積
 ・貨幣の発行
 ・貨幣の蓄積
 ・貨幣を用いた経済的取引
 ・経済的主体それ自身の維持・分裂・再生産

 

それぞれ、細かく見てゆきます。