価値観、価値、価格 - 価値と価格/実物資産の交換

価値と価格

実物資産には、価値に応じた価格が付きます。異なる経済的主体(家計、企業、国家など…)同士において経済的取引を行う場合、一般的には、実物資産と貨幣を交換します。このとき、実物資産の価値と貨幣の額面は一致させます。

 

実物資産の交換

 経済的主体は、多種多様な実物資産を必要とします。経済的主体が、必要とする実物資産をその内部から調達できない場合、経済的主体の外部と経済的取引を行います。これらの経済的取引には、大抵の場合、貨幣が伴います。国家が、国内で自給できないエネルギー資源を別の国から調達する場合、ドルとエネルギー資源を交換する。家計は、会社に労働力を提供するかわりに賃金を得る。家計は、得た賃金で家電製品や食料品を購入する。などです。

 経済的取引には、かならず貨幣が必要なのでしょうか?必ずしもそうではないと考えられます。例えば、2022年現在、外貨の払底したスリランカは、茶葉と原油の物々交換をイランと行おうと模索しています*1。『紛争でしたら八田まで 7』において、アイシャと古物商が行った取引は、輸送サービスとラッフルズ人形という実物資産同士の交換です*2。これらの取引に貨幣は介在していません。

 また、経済的主体が、実物資産の調達先を外部から内部に切り替える場合も考えられます。この場合、経済的取引は、内部でのやりとりに切り替わるか、そもそもなくなります。